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聖神社
(ひじりじんじゃ)
高知県越知町


空海に関係した寺社ではありませんが、「土佐の投入堂」として紹介されたウェブサイトに出会い「不動明王、岩、滝」を目にして、これは不動堂であり行場であると直感。このあたりを確認するために出かけました。

県道18号から登山口(参道入口)まで案内標識が設置されています。また、参道の難所には鎖や梯子が用意されています。奥山に分け入ることなく手軽に訪ねることができるだけに、俗化が気になるところです。いつまでも静寂そして清浄感、さらには霊気を保ち続けて欲しい聖神社と聖渓谷です。駐車料は無料です。


越知町の国道33号から県道18号に入ります。しばらく進むと桐見ダムに到着します。画像は対岸の展望広場から。


民家と赤い橋を通過します。



「下の谷」の集落で県道18号から別れます。左の道に入り「小日浦(こびうら)」を目指します。「神社入口約7.0K」




「大屋敷」の集落に到着。左折します。「神社入口約3.0K」


左折してまもなく「五社神社・大元神社」が左手に見えてきます。安全を祈願。トイレ(簡易水洗)あり。


「南ノ川」の集落を通過。「南ノ川集会所」


まもなくして、道は分岐します。左手方向に進みます。


橋の手前に設置された標識「神社入口1.5K」


橋を渡ります。



やがて「小日浦」の集落との分岐点に到着します。右手の橋を渡って「津野町」方面に進みます。


この分岐から左の急カーブを上ると「小日浦」の集落へ続くようです。昔は「小日浦」に小学校があり「大屋敷」からも登校したそうです。


分岐点の標識「聖神社参道入口まで600m」


駐車場に到着。普通車4台くらいのスペースです。


駐車場から「聖神社入口60m」


聖橋を渡ったところに案内標識があります。


「聖神社(450m 徒歩20分) 洞窟渓谷(200m 徒歩10分)」


聖橋を渡り、参道への入口付近を振り返ったところ。青い建物からは直接、遠望所に向う遊歩道が続いているようです(遠望所まで400m)。


聖神社への参道


橋(はしご)を渡ります。


小さな滝がありました。


鳥居に到着。ここからは神域です。休憩用に木材が組まれていました。「聖神社保存会 平成二十五年三月吉日」


鳥居から「左 対岩遠望所400m 右 聖神社200m」


聖神社へは急坂になります。


まもなく吊り橋がかけられた聖渓谷が現れます。 ※画像は合成しています


聖渓谷に続く坑道(マンガン鉱採掘跡)/ 左の梯子からロープをたよりに上ると渓谷を一望できるポイントに出ます。



自動点滅する照明器具が設置されています(当日はひとつのみ作動)。


坑道の先は吊り橋に続いています。以前は「野猿(やえん)」が設置されていたようです。揺れます。「注意 3名以上一緒に渡らないで下さい」


2本の滝が流れ落ちていました。滝行の行場と見ました。吊り橋より。


滝を見上げると木々の間から岩山が見えました。葉の落ちる季節には頭上に聖神社が見えるかもしれません。再訪の心持ちが沸き起こりました。



坑道の入口に戻り、参道を進みます。参道は整備されているので迷うことはありませんでした。



関連サイトで紹介されている象徴的な梯子に到着しました。いよいよの感を強くします。


機能的で自然とも調和した梯子(はしご)に感心しました。神社のある岩山の窪みまで登るにはこのルートだけのようなので、行場としては十分すぎる地形だと思います。


そろそろ頭上に聖神社、と思いましたが、まだ先がありました。


最後の梯子です。鎖も用意されており、安心して上れました。


見上げるとそこには聖神社、そして覆いかぶさる岩山。危うい足元を忘れさせる風景でした。連休のためか紅白の幕がかけられ、渓谷からの上昇風にゆらりゆらりとたなびいていました。神社の標高は500m。


社殿横の案内

聖神社(土佐の投入堂) 断崖絶壁の狭い岩陰に納まるように建てられ、さながら鳥取県の三徳山奥の院「投入堂」(平安時代後期:国宝)を思わせる、県内はもとより全国的にもあまり類を見ない大変珍しい神社である。

祭神の「不動明王」(石造)と修理棟札から、少なくとも明治十一年(一八七八)には存在していたことがわかるが、それ以上の詳しい歴史については不明である。ただ、堂内にある「鰐口」の形態等から推測すると、江戸時代後期まで遡る可能性がある。

社殿は明治十二年(一八七九)に ”長州大工” によって改築されたが、その後の管理がなされず荒廃していたのを平成元年(一九八九)に地元小日浦出身の大工岡村豊延が修理し何とか元の姿を留めるに至った。 平成二十四年五月吉日 聖神社保存会


社殿には不動明王が祀られていました。ということで「不動堂」ないし「聖堂」とします。梁には鰐口(わにぐち)が取り付けられ、柄の長い撞木(しゅもく)が用意されていました。保存会や地元の方々への感謝の気持ちを込めて床を掃き清めてからお参りさせていただきました。土足でお参りできますが、できれば階段の手前で履物を脱ぐようにした方がいいのではないでしょうか。



神社より正面の遠望所方面を望む。正面は東に向い、神社へは陽光が存分に降り注いでいました。絶壁の下方からは渓谷を流れ落ちる滝の音とともに柔らかな風が舞い上がってきました。


岩から滴る水を受けた「手水」と見ました。


社殿の背後より / 岩の窪みというより岩窟の様相の強い地形でした。


鳥居まで下り、遠望所へ向います。このあたりは踏み跡が消えてわかりづらかったです。足元に注意。



橋を2本渡ります。


落ち葉で滑りやすい斜面を進みます。


遠望所らしき場所に到着(標識はありません)。木々の間から聖神社が遠望できました。 ※画像は合成・角度調整しています


鳥居近くから渓谷を望む


仁淀川町に続く県道18号 / 四国を感じる風景です。